NYT紙は、5月30日、「GDPRに続く欧州の新プライバシー法「ePrivacy規則」に反対相次ぐ」と報じている。
先週金曜日に施行されたGDPRに続き、EUは現在欧州評議会で「ePrivacy規則」案を検討中。既に昨年秋、欧州議会で可決され、現在、欧州評議会で審査中のところ、元々、今月にも施行したい考えだった。
しかし、新プライバシー法「ePrivacy規則」は、データ収集に関する同意取り付けが厳しく、データ主導のオンラインサービスの発展を阻害し、自動運転車のような技術革新(イノベーション)を蝕むものと産業界から批判を受けている。
米国商工会議所、DevelopersAlliance(フェイスブック、グーグル、インテル、アプリ開発業者などの団体)、DigitalEurope(テクノロジー系産業団体)などは、新法につき、「過剰に厳しい」、「欧州で年間6400億ドルのビジネス損失を生む」、「欧州のデジタル経済の発展を著しく阻害する」と批判し、激しいロビー活動を展開している。
新法案がそのまま施行されると、Skype、WhatsApp、iMessage、プレイヤー間のメッセージングなどの電子サービスを提供するゲーム業者などは、ユーザーの端末に追跡コードを挿入したり、通信関係のデータを収集する前に、ユーザーから明確な許可を得ることが求められる。
新法では、唯一、事業者が明確で、事前通知された許可を受けた場合のみ、かつ、同意された特定の目的のためにのみ、そのユーザーのデータを使うことが認められており、これが厳しすぎるとのこと。
さらに、新法は、ユーザーがデータの収集について同意する、しないに関わらず、差別することなく、同一の通信サービスを提供することが求められている。
産業界からは、データ・マイニングにつき、オプト・アウトで通信サービスを受けるユーザーにまで同一の通信サービスの提供が義務付けられるとすると、データ主導の広告に依存するウエブサイトやアプリは、料金を取り始めたり、結局はサービスを中止せざるを得なくなるとして、反対の声が上がっている。
欧州評議会には、大小を問わず、産業界の各界から、反対の声が寄せられ、評議会のメンバーの中には、「ePrivacy規則」の一部修正を模索する動きもあるほか、早期施行を急がず、慎重姿勢を取り始めている。
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