NYT紙は、6月14日、「0AT&Tのタイムワーナー買収承認で、今後メディア界で大型買収の可能性」と報じている。

 火曜日、連邦裁ワシントン地区のRichard J. Loen判事は、AT&Tのタイムワーナー買収案件に関し、関係会社の資産分割を何も行うことなく、承認した。タイムワーナーを買収したAT&Tが、今後、Netflix、Amazon、YouTubeなどの巨大コンテンツ企業と直接競争状態に入ることになる。

 最近、Netflixはディズニーを上回り、総資産1580億ドルの巨大メディア企業となった。このことは、21世紀フォックスの買収を巡って、Comcastとディズニーが争っている状況に助け船を出すことになるだろう。

 昨年12月、ディズニー社は、21世紀フォックスのほとんどの資産を524億ドル相当の自社株

で買収する提案を行った。

 しかし、Comcastは、早ければ水曜日にも、2世紀フォックスの新たな買収提案を行う予定だ。

既に600億ドル以上の現金による買収と、その買収提案が政府当局から阻止された場合にフォックス側に支払われる「破談違約金(reverse breakup fee)」25億ドルの提示が含まれていた。

 火曜日、AT&T買収案件が承認され、今後、大型買収案件を政府当局が阻止するリスクが減少した影響から、Comcastの新たな提案は、破断違約金部分が無くなり、現金買収額がさらに上積みされる可能性がある。

 Murdoch氏は21世紀フォックス売却で560億ドルが手に入れたい考えで、その後の株価上昇で約600億ドル相当となったディズニーの買収提案を21世紀フォックスの取締役会に一旦は掛けたが、政府当局の規制問題で懸念が残るほか、破談違約金がないことが問題となり拒絶を食らった。

 Murdoch氏は、ディズニー株は今後さらに上昇が期待できると考えており、まだディズニーとの買収交渉は継続中だ。また、Comcastには多額の負債があることも、提示された金額の多寡だけで最終決定ができない原因となっている。Murdoch氏は、息子のJames氏も含め、両社の提案を検討中のところ、心はディズニー側に傾いているが、Comcastがはるかに高い金額提示を行うと、Comcastに軍配が上がる可能性も否定できない。

 今回のAT&T買収案件の承認で、規制問題の懸念リスクが減少し、破談違約金の必要性も低くなり、かつ、TV業界では若者離れで、視聴率が激減しているため、コンテンツに支払う著作権料の効率化を図るためにも、今後、メディア界で大型買収の可能性が高まっている。

 しかし、CBSとViacomは、社内バトルが続発し、買収市場では業績の悪さが指摘されている。

素敵なメディア研究所

当研究所は、我々の身近にあふれるTVやインターネット、スマホ等のメディアについて、人々が安心して、その便益を十分に享受できるような世界を実現するための様々な活動を行うことを目的に設立されました。

0コメント

  • 1000 / 1000