1月15日、NYT紙は「フェイスブックのNews Feed変更前に実験段階で、偽ニュース急増」と報じている。
フェイスブックのザッカーバーグCEOは、先週木曜日、「情報交流の意義」を高めるため、友人や家族との情報交換をより拡大し、既存ニュースメディアの情報提供を縮小していく旨、新たなNews Feedの変更方針を世界に発信した。
しかし、昨秋から、ボリビア、グアテマラ、スロバキア、セルビア、カンボジア、スリランカの6か国で、ユーザーの選好度の高い個人・公共情報がフェイスブック内でより拡散する実験を行った結果、偽ニュースや人騒がせな際物情報がより発信・シェアされ、既存のニュースメディア報道は、フェイスブックを通じた拡散が30%減少する国(スロバキア)も出た。
ユーザーは真実でも退屈なニュースより、偽ニュースでも目新しい興味のわくニュースに飛びつく傾向がある。
カンボジアは、特にフェイスブックが重要になってきている。フンセン首相は反体制派を壊滅し、政治体制は一党独裁。ジャーナリスト逮捕、新聞社破産が続き、フェイスブックが唯一の政府から独立した情報チャンネル。
スロバキアでは、2016年の総選挙で議席の10%を右翼政党が握ったが、今回の実験が偽ニュース急増を手助けする形になった。国営ニュース機関が大量の資金を使って偽ニュースを流し、ユーザーが大量にシェアした。
ボリビアでも、Morales大統領とPagina Sieteのようなニュース・メディアが対立関係にあり、実験開始以降、Pagina Sieteのトラフィックが20%減少。
6か国における実験で、イデオロギーの対立が更に深まり、両極化(polarization)現象が強まり、偽ニュースが急増。友人や家族との情報交流も良いことに違いはないが、多様な情報提供の必要性を見失ってはいけない。
今回のフェイスブックのNews Feed改正は、結局、「お金をお金を出してくれるところを、誰でも良いから多く見せる」ことになるだけ。実験を検証すると、民主主義の未発達な国では、結局、金を持っている政府を利するだけと結論付けている。
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