NYT紙は、3月19日、「米国のHuawei使用防止に向けた動きに、同盟国の反撃」と報じている。

トランプ政権は、5Gネットワーク建設にHuawei機器を使用すると国家安全保障上の脅威が増すため、

米国の説得を聞き入れないと今後インテリジェンス情報の共有を行わないと同盟国に警告したり、叱りつ

けたりしてきたが、英、独、印、アラブ首長国連邦は、「セキュリティー上のリスクは、Huaweiの社内や

ソフトウエアを厳しく調査することや、中核のインフラにHuawei機器を使わないことで、回避できる」と

して、米国の説得に応じない方針を採り出した。

米国政府も、同盟国の説得に代わる、新たな手段を模索し始め、米国企業に対し、Huaweiに5Gネット

ワークの中核となる部品の提供を行わせないことや、そもそもHuawei機器が安く調達できることが大きな

原因になっていることから、米国企業に対する政府の財政支援を行うなどを検討し始めている。

もっとも、この方針変更の原因は、次のようなものとNYT紙は報じている。

①トランプ大統領が何度もHuawei幹部逮捕に関し司法省を批判し、Pompeo国務長官の同盟国への働き

 かけにフルにコミットしなかった。

②また、トランプ大統領は、Twitterで「中国との貿易協議の中で、Huawei問題を妥協の材料に使うかも

 しれない」旨示唆し、ZTEの取引停止措置(イラン制裁措置違反)が撤回されたたことが繰り返される

 のではと同盟国側も疑い、米国の説得を真剣に受け止めなかった。

③米国はHuaweiの脅威を声高に訴えるが、その具体的証拠を全く示せなかった。

④米国以上に欧州はHuawei機器への依存度が高く、これに代わる代替手段が事実上なく、Vodafone、

 ドイツテレコムなどの欧州企業は、Huawei機器が使えないとコストがかかり、5Gネットワーク建設で

 米国やアジアに遅れをとってしまうことを恐れた。

⑤ハンガリーでは、Pompeo長官がHuawei禁止と米軍駐留を交換条件にしようとしたり、独では米国大使

 がPompeo長官の発言を拡大解釈して、米国のインテリジェント情報の共有を停止すると脅し、メルケル

 首相が直ぐさま「独は、米国に言われなくても、自国のことは自分で決める」と反撃する騒ぎに発展し、

 反感を呼んだ。

⑥英国政府は、セキュリティー関係の研究所でHuawei機器やサーバーセキュリティー上の欠陥コードを

 研究し、昨年、そのソフトウエア上の問題点を突き止め、中国政府とは無関係である旨結論付けていた。

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