NYT紙は、12月17日、「フランスでは、オンライン上の偽情報対策を学生が学んでいる」と報じている。
フランス政府は、2015年以来、オンライン・リテラシー向上のため、毎年3万人規模で先生や教育関係者
の研修プログラムへの財政支援を強化している。文化省がこの研修コース予算を倍増し、680万ドル支援する
ほか、教育省は高等学校のカリキュラムの中に、インターネット、メディアに対する教育を選択コースとして
設けている。
2015年、メディアに対する反感やオンラインの陰謀論への脆弱性から、風刺雑誌Charlie Hebdo社に対する
テロ事件が発生したほか、最近の米国やフランスの大統領選では、ロシアによる偽情報のターゲットにされ、
陰謀論の広がりの中、パリ、ニースでテロ攻撃事件が発生した。
直近では、収入格差問題に端を発した抗議行動が、フェイスブック等のオンライン・プラットフォーム上で
偽情報の投稿記事が「いいね」やシェアが数多くされ、大きな広がりを見せている。
フランス以外でも、インターネット・リテラシー教育は増加傾向にあるが、それらの多くは民間団体に委ね
られ、米国ではフェイスブックやグーグルのような企業や基金から寄付を受けた「News Literacy Project」が
有名だ。
EUでは、今月、域内各国に対し、偽情報、選挙干渉への対抗手段として、教育プログラムを拡充するよう
要請が行われた。
フランスの研修コースの中では、ジャーナリストがどのように事実を収集し、それを検証するかといった
基本的なことを、学生のメディアに対する反感を失くし、オンライン上で学生が見聞きするものに対する批判
眼を養う目的の下に教えている。偽情報や陰謀論と言って簡単に片づける前に、ニュースとは何か、誰がニュ
ースを作っているのか、その取材源を学生がどのようにチェックすべきなのか、といった基本に立ち返ること
を教えている。
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NYT紙は、12月13日、Tim Wu教授(コロンビア大学・法律学)の意見投稿記事「Facebook の「中国論法」に
陥るな」を掲載している。
FacebookのザッカーバーグCEOやテクノロジー巨大企業の幹部は、昨年来、次のような発言を繰り返している。
「我々が間違いを行ったことは認める。しかし、だからと言って我々を懲らしめると、未来を中国に手渡して
しまうことになる。米国と違い、中国は、テクノロジー企業のバックに政府がいて、世界で起きている競争に勝利
を収めようとしている」
このFacebook論理は、「潰すには大きすぎる」という論法のテクノロジー企業版だ。世界のテクノロジー企業の
トップ20は中国企業で占められ、世界規模で市場の独占化を狙って競争している。米国では、テクノロジー巨大
企業の分割や規制強化や議論されているが、これに代わり、自国企業の保護や政府補助について見直しを図るべき
との論理だ。
しかし、米国がこれまで歩んできた過去を振り返ると、1970、80年代の日米協議の中でも、IBM、AT&Tの分割
など反トラスト措置を講じ、Microsoft、Sun、Lotusなどのソフトウエア産業の隆盛を生み、AppleのPCや、
CompuServe、America Onlineなどのオンラインネットワーク産業を生み、いわゆる「インターネット経済」を成長
させるに至ったことを思い出すべきだ。
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AP通信は、12月13日、「GoogleのCEO、Pichai氏の議会証言の示すもの」と題し、来年1月以降の連邦議会の
関心事項を報じている。
今週火曜日、GoogleのCEO、Pichai氏は下院司法委員会に呼ばれ、特にトランプ大統領や共和党が問題視する
Googleの検索エンジンが保守派に偏見を持っているのではないかとの問題に答えた。「偏見はない」と明確に答え
たものの、来年1月から下院司法委員会の委員長就任が確実視されるJerrold Nadler議員(民)は、「むしろ、
偽情報の流布、ロシアのオンライン介入、個人データ保護、テクノロジー巨大企業の解体の可能性などについて
検証が必要」と述べ、来年1月以降のGoogle再招致を匂わせた。
なお、先週、ホワイトハウスにテクノロジー企業幹部が集められ、AIなどの先端技術分野で官民連携で、いかに
技術革新を加速化させるかなどにつき会合が持たれた。
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