NYT紙は、4月18日、「ストリーミングサービスで最強のNetflixに対抗できるのはHuluのみ」 と報じている。

今年1月~3月の第1四半期、Netflixの業績は、世界中のユーザー数が1.48億人、米国だけで

6000万人。料金値上げ、競争激化で、加入者数の伸びは、米国内で、より減少率が大きいが、売上

高は45億ドル、営業利益は3.44億ドルと、Netflixは、加入者数、視聴時間、コンテンツのライブ

ラリー規模で競合企業を圧倒しているが、唯一対抗できるのはHulu。昨年、広告収入は15億ドルで、

前年比45%と急伸し、今後3年以内にオンラインTVの広告市場は500億ドルまで成長すると見て

おり、その中でHuluは、コマーシャルが他のオンラインTVより、短く、より視聴者に関連付けら

れており、視聴者第一主義の広告環境を提供しているため、良い位置取りを占めている。

 HuluとNetflixは、どちらかと契約するという代替関係ではなく、多くのユーザーは両方と契約

している。また、今後、Apple、Disneyなど、新たな競合事業者が参入するが、この競争激化が

Huluを、さらに良くしていくと経営陣は見ている。

 市場価値で見ると、Huluは150億ドル、Netflixは1570億ドル。しかし、規模ではなく、その

成長率を見るべき。2016年8月、Time WarnerがHulu株の10%を購入した時、5.83億ドル支払っ

たが、これはHuluの市場価値が58億ドルであることを意味した。約2年後、DisneyはHuluの

市場価値を93億ドルと評価し、今月、AT&TがHulu株の9.5%を14.3億ドルで売却したが、これ

はHuluの市場価値が150億ドルまで増加したことを意味し、2年半で2.6倍と急伸している。

この間、Netflixの市場価値は3.8倍になっているが、Netflix株が公開市場で取引されているのに

対し、Hulu株は非公開で取引されているため、公開市場ではより広く買い手が存在し、市場価値が

もっと吊り上がる可能性がある。

 加入者数で見ると、昨年12月現在、Huluは2500万人で、前年比800万人増、47%増。Netflix

は米国での加入者が5800万人で、前年比12%減だが、世界中では1.39億人で、26%増。Netflix

の加入者数の増加は、Huluに比べ、陰りが見える。

 ビジネスで見ると、HuluもNetflixも、ともに大幅なキャッシュフロー不足。Huluは、開業当時

からキャッシュフロー不足に悩まされ、今年も、来年も、15億ドル不足。しかし、大株主Disney

によると、2023年から利益を出す見通し。他方、Netflixは、財務諸表上、利益を出しているが、

後年で資産の評価下げを行うという会計ルールの見直しによるところがほとんど。昨年12億ドル、

今年は20億ドル超、来年は30億ドルの利益を計上する見込み。Netflixはより良いコンテンツ嗜好

が強いため、経費支出が大きく、どうしても入りより出が多い、「負のフリーキャッシュフロー」

に陥るため、外部資金の借り入れに依存している。昨年は30億ドル、一昨年は20億ドルを借り入

れたが、いつまでも続けることはなく、来年から始まるコンテンツ投資からの売上げから資金を

回す計画。

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